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浄楽寺に行ってきたのです [仏教・仏像]

訪れてしばらく経ってしまいましたが、
3月3日に横須賀の浄楽寺に行ってきました!

2月は忙しくて
なかなかお寺に行くことができなかった分、
この日がどんなに待ち遠しかったことか…

こちらには、運慶が作ったという
阿弥陀三尊と毘沙門天、不動明王の
5体の仏像が納められています。
昨年の6月に行った伊豆の願成就院の仏像と、
必ずと言っていいほどペアで紹介されることが多いですね。
毎年、3月3日と10月19日の2日間だけご開帳される
貴重な方々です。


JRに乗って、
鎌倉までは行ったことがありますが、
次の逗子駅で下車。
駅からバスに乗って向かいます。

思いのほか人が多く、
1台バスを見送ったくらいです。
ちなみにお寺へは
逗4,5,6,7,71,72系統に乗れば行けます(確か…)

駅周辺、市街地が混雑していて、
なかなか進まずイライラ…
でも、葉山御用邸を過ぎたあたりで相模湾がひらけ、
遠くに江ノ島や富士山が見えた時は
まだ目的を果たしていないのに
「来てよかったー!」なんて思いました。
バスは海沿いに進み、
45分くらいかけて浄楽寺の停留所に着きました。
乗車していた多くの人がここで降り、
ご開帳の人気っぷりがうかがえます。

お寺は敷地内に墓地もありましたが、
それほど広い感じではありませんでした。
本堂の裏手の高くなっているところに、
本堂より少し小さいくらいの収蔵庫があり、
そこに5体の仏像が安置されていました。

左から毘沙門天・勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩・不動明王と並んでいます。
すべて重要文化財、旧国宝の名だたる仏像が揃っています。

拝観料の100円を支払い、
じっくり見ていきます。
(以下、どうしても願成就院の像と比べてしまっていますが、
あえてそうさせてください…)


まず毘沙門天。
確か願成就院像は等身大くらいでしたら、
この像はそれよりも小さいです。
袖などにわずかに昔の彩色の跡が残っています。
衣の形は願成就院像に似ていますが、
細部までは詰め切れていないといった様子。
ポーズは左手足をあげているのに違いはありますが、
印象としては似ているように思います。
邪鬼はあちらは2体、こちらは1体です。

似てはいるのですが、
完璧すぎるくらいだったあちらの像に比べると、
なんとなく不備があるような、
泥臭さが残る部分が、
「本当に運慶作?弟子とか同じ工房の仏師が作ったんじゃないの?」
とも思うのですが、
胎内から願成就院のものと同様に
運慶作と書かれた木簡が出てきたことは事実。
認めざるを得ないでしょう。
前述の類似点もありますし…

中央の阿弥陀三尊ですが、
願成就院の方は
阿弥陀像だけで、脇侍はいらっしゃいませんでした。
阿弥陀像も印の形が違い、
あちらは説法印、こちらは上品下生の印です。
この2体は作者が同一というのがうなずけて、
願成就院の像は切れ長で伏し目、
浄楽寺の像は玉眼で見開いていますが、
顔の輪郭や特に唇の形が全く同じといってよいくらい
似ています。
衣もパリっとしたシャープなラインで表現され、
シワの流れ方はほぼ同じです。
(ぎょうせい「日本の美術 No.537」では
この2体が巻頭カラーで並んで掲載されていますので
是非ともご参照ください!)

願成就院像は漆箔がはがれ、黒い中にわずかに金が残っていましたが、
こちらは金泥で塗られていて、
渋いやや重い感じの金色が全身を覆っています。
彩色方法などに微妙な差もありますが、
ふたつのお寺の像がこれほどまでに比べられる意味が
この阿弥陀像を見てやっと分かるような気がしました。

脇侍の勢至・観音像は
全く無駄のない形で、表情は「無」といった感じでした。
蓮華を持ち、2体はそのまま反転させたように作られています。

最後、一番右に置かれていた不動明王像は、
願成就院像と違い三尊形式ではなく、
不動明王独尊です。
キズがたくさんあり、他の4体の像とはどことなく違う印象があります。
願成就院像と比べても、
ポーズも衣も表情もかなり違い、
体躯の豊かさもありません。
天地眼で、いかにも鎌倉時代の仏像らしい像ではありますが、
こちらも運慶作なのだろうかと疑問が残ります。

人が多い中をじーっくり見ていきましたが、
比較する対象をもって拝観することはあまりないので、
なかなか楽しかったです。

120318.jpg

御朱印をしていただいた方が、
お寺の方のようだったので、
私がひとつ疑問に思っていたことを伺いました。

願成就院を訪れた際に購入した冊子に
浄楽寺の仏像のことが書かれていて、

「おしいことに阿弥陀三尊像は後世の金箔で全身がおおわれ、
ことに不動・毘沙門天像は、江戸時代の彩色が厚くぬられ、
一見新しい像のような感じをあたえる仏像である。」
(「願成就院」久野健 中央公論美術出版/初版 昭和47年)

とあり、
掲載されている写真もモノクロながら、
明らかに派手派手しい色彩がぬられているのが分かりました。

なので私は浄楽寺の仏像は見るに値せずかと思っていたのですが、
「日本の美術 No.537」(2011年2月発行)には
どうも後世に塗られた色彩が落とされているような写真が載っていました。

実際には江戸期の色彩は落とされていたので、
「いつごろ色彩を落としたのですか?」
とお寺の方に伺ったところ、
20年ほど前に京都から仏像修復の専門家を招き
この場所で作業をして現状のようになったということでした。
阿弥陀三尊は、今でも金が残っていますが、
前はもっと金ピカだったそうです。

そういう話を聞けるのも事前に調べていたからで、
ただ5体の仏像だけれども、
20分ほどしかその場にいなかったけれど、
充実した時間を送ることができ、
またたくさんのことを知ることができました。


拝観のあとは新島密のお墓に手を合わせてお寺を出て、
近くをお散歩しました。

たまたま行った芦名の漁港では
3月3日ということもあり流し雛のお祭りをされていて、
屋台で遅いお昼を食べたりしました。
(行事自体は時間的に見れませんでしたが)

山や川の近くで育った人間なので海が珍しく、
秋谷の海岸を歩いて貝を拾ったり、
波に足をつけたりして(!)
日頃なかなか体験できないことを満喫して
またバスに乗って帰りました。

今回行ったのは横須賀市でも鎌倉に近いような場所でしたが、
他にも横須賀には見所のある仏像がいらっしゃるようですし、
鎌倉もぜんぜん行けてないので、
また鎌倉期の仏像巡りをしてみる予定です!

太宰府を歩く その3<終> [仏教・仏像]

旅行2日目の朝は
ホテルの近くにお寺があるというので
まずはそこを訪れました。

場所でいうと祇園駅の付近。
都会の中の昔からの寺町といった感じで、
大小のお寺がひしめき合っています。
中には結構有名らしいお寺もあるそうなのですが、
太宰府以外はまったく調べて行かなかったため
詳細は分からずで…
ただ、駅でもらったパンフレットに
福岡大仏」なる仏さんを安置する
東長寺というお寺が掲載されていたので
そのお寺だけ訪れました。

唐帰りの空海が博多に滞在した時に造ったお寺だとかで、
かなりの歴史があるようです。
さすがにその頃の建物などは残っていないようでしたが、
門や六角堂などはなかなか良い趣を出していました。
ただ、建物で何よりも目に留まるのが、
色鮮やかな五重塔です。
平成23年春に落慶したといいますから、
まだできたてホヤホヤの五重塔ですね。
都会の真ん中にこんなものがあるというだけでも驚きです。

さて、問題の「福岡大仏」ですが、
寺内をぱっと見回してもそれほど大きな建物はないように感じたので、
大仏といっても丈六くらいの大きさじゃないの?と思って
向かったら、見てびっくり、
光背をあわせて16mの巨大釈迦坐像がいらっしゃいました。
こちらも完成したのは平成になってからのようです。
このお寺の財源はどこなのだろうか…と
いらぬことばかりを思ってしまいました。

ちなみにこちらのご本尊さんは平安期の作で国宝の千手観音。
私としては、むしろこの方をゆっくり見たかったです。

さて、この後私は地下鉄に乗り込み
福岡Yahoo!ドームを見物し、
またしても太宰府へ向かいました。

今日見るのは九州国立博物館です。
博物館の展示品が見たい!というよりは、
この博物館自体に行ってみたかったのです。
近代的でカッコいいじゃないですか!
太宰府天満宮の東側に長〜いエスカレータがあり、
そこから山の上に行きます。
なんかそれだけでもカッコいいのに、
山の上にあの流線型のガラス張りの建物があるんですよ。
東博も京博も、古い建物が命!
という感じですけど、新しくてもいいじゃないですか。

今回たまたま東京でやっていた時に見に行かなかった
「細川家の至宝」の特別展をやっていたので、
結構楽しめました。

それに、常設展の「海の道、アジアの路」も
なかなかよかったです。
東博だと、どちらかというと全国の古代の遺物を展示していますが、
こちらだと、九州で出土したものを多く展示しているようです。
展示フロアはそれほど広くないですが、
(九博自体、吹き抜けの空間を広くとった贅沢なつくりなので
延床面積は思ったより狭いです)
VRシアターなどの映像の上映もあって
分かりやすい、退屈にならない、お堅くないという、
私のような古代&九州の歴史シロウトでも親しみやすい感じでした。

そんな感じで時間は過ぎて九博をあとにし、空港へ。

1泊2日というあっという間の時間が終りを向かえました。
太宰府に関してはまだまだ見るところもあるようでしたが、
とりあえずは充実した時間を過ごすことができ、
少しは歴史を体感できたような気がします。
九州は大分など他にも仏像スポットがあるので
また時間を見つけて来たいですね。

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太宰府を歩く その2 [仏教・仏像]

太宰府天満宮は観世音寺から
歩いてもそれほどかからないところにあります。
初詣客の車の渋滞を追い抜かして行くと、
参道が見えてきました。

参道はとても混雑していて、
天満宮の人気っぷりが伺えます。
特にこの時期は受験シーズンですから
学業の神様にあやかっての参拝も多いでしょう。
まあ、センター入試を次週に控えている受験生は
参拝なんてしていられないでしょうけどね。

太宰府天満宮といえば「梅が枝餅」。
別に梅が入っているわけではなく、
あんこの入った普通の焼き餅です。
参道の入口あたりは販売店も少ないですが、
奥に行くほど店も増え、人気店には行列ができていました。

他にも明太子屋さんや、梅ソフトクリームを出す店、
やたらおしゃれな建物のスターバックスがあったりしました。
とはいえ、梅が枝餅を食べられて大満足の私は
そのどこにも立ち寄りませんでしたが。

参道のドンツキに社殿があるのではなく、
左に曲がったところにあるというのが特徴的だなと思いました。
そのドンツキのところには2本の大きな松明が置かれていました。
この日は(1月7日)は
鷽替え神事(19時〜)と鬼すべ神事(21時頃)が行われる日でした。
鬼すべ神事で使われる松明なのでしょう。
偶然であっても祭りの日に訪れたからには
ぜひとも見てみたい!と思っていたのですが、
まだ夕方で外は寒く、歩き続けで足も疲れていて、
慣れない土地でひとり時間をつぶすのも大変なので、
見物はあきらめました。
ただ、この日は特別に太宰府館で
木うその絵つけ体験ができるということを調べていたので、
参拝が終わったら伺おうかと思っていました。

人混みにもまれながら参拝したので
太宰府天満宮の社殿をゆっくり鑑賞することはできませんでしたが、
建物の壮麗さからいえば、北野天満宮のほうが優れていると思いました。
とはいえ、建物や宝物では計り知れない、
菅原道真が左遷された太宰府に
この神社があること自体に意味があると思います。
政庁跡の展示室で歴史の案内をしてくれたおじさん
京都の北野天満宮と太宰府天満宮、どちらが上なんですか?」と尋ねたところ、
「双方こっちだと言っているそうだけど、
道真公の遺体がある(とされている)のは太宰府なので…」
と言われていました。
歴史的意味や価値、それぞれ違うからこそ
見甲斐や訪れ甲斐があるのだと思います。

天満宮の宝物殿は時間的にもう入れなかったので、
太宰府館に行くことにしました。
参道を少し入ったところにある観光案内施設という感じでしょうか。
2Fで木うそ保存会の方々が
各々の作品を展示し、絵つけ体験教室をされていました。
地元の若い女性3人が絵つけ体験をしているのを見て、
こんな観光客が飛び入りで大丈夫かな…と
不安になりました。
でも、旅の恥はかきすてとばかりに飛び込んでみると、
保存会の方はウェルカムムードで安心しました。
すでに木うその形に彫られているものに
赤・緑・黒で模様や目を描いていき、
金色の紙を頭に貼って、「太宰府」のスタンプを押してもらって完成です。
文章にするとすごく簡単ですが、
実際には結構時間がかかりました。
(下手なモンでは許されない!という変なプライドのため、
慎重に描いている自分がいた(笑))

鷽替え神事というのは、
私、この旅で初めて知ったのですが、
結構全国的に行われているお祭りなんだそうですね。
(鷽という鳥自体も知らなかった…)
東京や大阪でもやっているのに、
北野天満宮ではやっていないお祭りです。
京都がすべてではないということですね…
祭りの意味には諸説あるようですが、嘘と鷽鳥をかけて
これまでの悪いことを嘘にして吉に取り替えるらしいです。
鷽と旧字の學の字が似ているから
鷽鳥が天満宮の使いだという説も初耳です。

とにかく、そんなこんなで木うそ初心者の私が絵つけしたものは、
鷽替え神事に使っていただいてもよかったのですが、
せっかくなのでお持ち帰りにしました。
今、うちの本棚の前に鎮座しています。

太宰府館を出るともうすっかり日も暮れていて、
西鉄 太宰府駅から福岡天神駅まで戻りました。
博多駅近くのホテルに泊まり、これにて1日目終了です。

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太宰府を歩く その1 [仏教・仏像]

新年あけましておめでとうございます。
本年も細々とやっていこうと思いますので
よろしくお願いいたします。

新年早々、福岡は太宰府に行って参りました!
はじめてひとりで飛行機に乗ることが一番の難関だったのですが、
1泊2日楽しんできました。

早朝、羽田空港へ出発。
午前中に福岡空港に下り立ち、
西鉄 都府楼前駅に着いたのはちょうどお昼でした。

今回の旅行は観世音寺の巨大仏像を
拝みにいくのが第一の目的だったのですが、
太宰府天満宮に政庁跡、九州国立博物館と、
見るところがたくさんあるので、
存分に太宰府を楽しもうと計画しました。

都府楼前駅から歩いて、まず目指したのは大宰府政庁跡。
歩道の人通りはあまりないのに、
車道は天満宮に向かう車が渋滞していました。
きっと普段は静かなところなんでしょうね。
10分ほど歩いて政庁跡に着きました。

奈良の平城宮跡をそのまま小さくしたような、
芝生に礎石が並ぶ公園に整備されていました。
部活の練習をしている高校生や、凧を飛ばして遊ぶ子供
夫婦が散歩していたりして、
寒空ながら和やかな雰囲気を出していました。
とりあえず腹ごしらえと、
芝生に座り近くのコンビニで買ったサンドイッチを食べ、
その様子をぼーっと見ていました。

ああ、ここに旅人や憶良がいたんだな…
どんな風に栄えていたんだろうか…
なんて思ったりして。

敷地内にある展示室で大宰府の歴史について説明を受け、
(なぜ海から離れたこの場所に政庁が置かれたのか分かりました!)
礎石を見てまわり、北側から政庁跡を出ました。
北側には梅が植えられており、旅人宅での梅の宴会が偲ばれます。
梅は天満宮の象徴というよりも
太宰府全体の象徴とも言えるのかもしれません。

散策ルートには万葉歌碑がたくさん置かれていて
探しながら歩くのも楽しいです。
そうやって歩きながら、あっという間に観世音寺に着きました。

まず隣にある戒壇院を参拝し(三戒壇のひとつだとか)、
観世音寺をお参りします。
朝鮮半島(白村江の戦い)へ向かう前に亡くなった斉明天皇の追悼のため、
天智天皇が創建したので歴史は相当古いようです。
玄ぼうや唐帰りの空海もいたお寺ですから、
筑紫においてはかなり力があったんだと思います。
平安時代に焼失したため
梵鐘(国宝)が残っているくらいですが、
それでも平安期の優れた仏像が今に伝えられています。

高床式風の宝物館の2Fには
4〜5mもある仏像が待ち構えていました。

おおお〜っっっ!
こ、これがあの馬頭観音か〜!

なんだか私の旅は古くてデカい仏像を尋ね歩くのが
定番になってきているのですが、
デカイものこそ見に行く価値があるというもの。

中央に祀られている馬頭観音は平安後期の作。
503cmの寄木造りの金箔。

私も今まで仏像を見てきましたが、
まず馬頭観音自体に出会うことは少ない(石仏はたまに見るけど)ので、
それがこんなにデカいだなんてとんでもないことです。
圧倒されます。
なぜ大きい馬頭観音を作ろうと思ったのか、
想像するだけでも面白いです。

両隣の十一面観音と不空羂索観音も5m前後あり、
まわりを取り巻く仏像郡の中には
大きな地蔵菩薩や阿弥陀如来もいらっしゃいます。
馬頭観音の他に見たかったのは兜跋毘沙門天像。
毘沙門好きなのでぐっときます。
前に描いたことがあるのでなおさらですが、
やはりカッコいい!
東寺の兜跋とは鎧の形が違い宝冠もかぶっていませんが、
細身ながらも体つきはしっかりしていて、
表情は厳しいような、でも口元は少し笑っているような。
下で支える地天女は神像のような顔つき。
邪鬼はきょろきょろした感じで個性的です。

兜跋の向かい側の大黒天像も有名な方で、
ここにいらっしゃる方だとは知りませんでした。

十分観世音寺を楽しみ、
この後、太宰府天満宮へ向かいます。

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仏像の衣を見てみると… [仏教・仏像]

仏像を拝する時にどこを見るかというと、
やっぱり顔だと思うんです。
その表情に優しさや厳しさなどを感じることが
多いのではないでしょうか?

他に見るところといえば
体つきや服装、装飾品、髪型、台座や光背等でしょうか?
色が残っているとかそういう部分も見たりしますね。

私は今までこんな感じで拝んでいたのですが、
最近気になっているのが衣文なんです。

仏さんが着ている衣服のシワのよりかた
とでも考えればいいんでしょうか?
どうやらこれにもいろいろ形式があるようで、
見ていくと結構おもしろいうということに最近気がつきました!

一番よく耳にするのが『翻波式衣文(ほんぱしきえもん)』。
これはちょくちょく聞くことがあったのですが、
どのような形を指すのか知りませんでした。
本で調べてみると、
「丸い波と角の波とを交互に刻んだ」と書かれていて、
ちょっと分かりにくいなと思ったのですが、
実物を見ればすぐに分かります。
法華寺の十一面観音の足に刻まれているのがそれなんですが、
確かに大きいシワと小さいシワが交互に並んでいるんですよ。
他にも室生寺の釈迦如来坐像や興福寺の薬師如来坐像にも
このような大小のシワを見ることができます。
探してみると結構ありますね。

他にも『渦文』『松葉状衣文』『茶杓形衣文』など
特徴的なものがあるようです。

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『翻波式衣紋』は平安初期に作られた木造の像に
頻繁に使われているようで、
この時代の特徴でもあるようです。

形式的なもので実際にこんな風にシワにはならないでしょうし、
この時代以降は仏像もどんどん写実化していきますから、
作例も後の時代になると少ないみたいです。

よくよく考えると
私は仏像の各時代の特徴をちゃんと知っているのかなと思いました。
一応、「これは○○時代に作られたもの」という知識はありますが、
だからといって「この像には○○時代の特徴がよく出ている」
みたいな話はほとんどできないと思います。
飛鳥時代とか鎌倉時代になると大丈夫だと思うんですけど、
奈良時代から平安時代って
自分の中で曖昧な部分もあるので、
衣文など様々な切り口からもう少し見極めの力をつけていけたらなと思います。

貴重なポストカード [仏教・仏像]

久々の更新になってしまいました…

つい先日、結構レアなものをGETしました。
私が以前から探しに探していたもので、
それは何かというと、
法隆寺金堂壁画のポストカードのことです。

昨年、三井記念美術館でやっていた
会津八一の特別展を見に行った時のこと。
焼損した金堂壁画をコロタイプ印刷したものが展示されていました。
その時にミュージアムショップでポストカードを販売していたのですが、
買わずに帰ってしまい、ずっと欲しいと探していました。

あまり詳しい技術に関しては知りませんが、
焼損前に京都の「便利堂」が壁画を撮影していたという情報は得ていたので
何度か神保町の便利堂のショップをのぞきにいっていました。
でも置いておらず…

それが2週間ほど前に、
神田の古書店街にいったついでに
「ないだろうなあ…」と思いながら行ったら
なんとあったんですよ!
コロタイプ印刷されたモノクロのポストカードセットが!

お店の方にいろいろ話を聞いたのですが、
便利堂が所持しているガラス乾板(写真のネガみたいなもの)をもとに
再現した写真集が出版されたらしく(法隆寺金堂壁画  ガラス乾板から甦った白鳳の美
ポストカードもセットで出したんだとか…

お店の方曰く、
コロタイプの技術なんかは
NHKの日曜美術館でもとりあげられたようで…
写真集はかなり大々的に広告をうっていたみたいです。
ただ、私はまったくこの写真集の情報を知らず、
日曜美術館の話も、そんな回があったというのを
母から聞いていた程度でした。

探していたわりに何も知らなかった自分を恥じたのですが、
とにかく見つかり、安心しました。

それで、このポストカードセットは
コロタイプ印刷のモノクロ版だけでなく
オフセット印刷されたカラー版もあるらしいと聞き、
取り寄せてもらい、何とかGETしました。

どちらも、もともと数が少ないものらしく、
手に入れられたのも奇跡なくらい…
ギリギリ手に入れられて本当によかったです!

日本に存在したとは思えない、
エキゾチックな仏の姿。
ゆっくり堪能したいと思います。

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仏ケーキ、再び。 [仏教・仏像]

三連休を有意義に過ごそう!

…と思っていたのに、
結局ゴロゴロして終りを迎えてしまいました。

本当は鎌倉あたりに行ってみようかと
計画していたのですが、
疲れに負けて昼まで寝るという暴挙をはたらき…

まあ、仏像にまったく触れなかったかというとそうでもなく、
美術&宗教関連の本がいっぱいある図書館で
ちょっとばかり勉強しました。

でも、ブログに書くほどのことでもないので、
久々に仏ケーキでも作るか!
と思いつき、描いてみました。

今回はファミマの
メープル&マーガリンホットケーキ(敷島パン)を材料に
デコペンでかきかきしてみました。
仏ケーキということで、仏伝をテーマに
摩耶夫人が釈迦を脇から産んだところと、
天上天下唯我独尊の釈迦の2点です。
所要時間はジャスト1時間。

また気が向いたら四門出遊をはじめ、
涅槃まで描いてみるのも楽しいかもしれないです。

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ちなみにカメラはLUMIX GF3を使用!

仏の後ろ姿のこと [仏教・仏像]

またもや東博に行ってきました。

土曜の午後だったので
前回行った時の倍くらい人がいました。
ただ今回はポイントだけ(展示替えがあったものを中心に)
見ていったので
それほど苦にはならなかったです。


前回、この特別展のレポートをした時に
東寺の「兜跋毘沙門天像」について
後ろ姿は意外にあっさりした作りだったと書きました。

今回も兜跋をじっくり見ていて
どうして前の鎧、特に鎖帷子は緻密な表現がされているのに
後ろは革のようなものを1枚被せて着ているだけなのだろうかと
考えながら見ていました。

後ろに光背があるから…?
前からしか拝まないから後ろは簡単にしか作らなかった…?
その程度の答えしか導き出せませんでした。

それから少し先のフロア
「四種護摩本尊並眷属図像」という
仏の絵が描かれた巻物が展示されています。
あまり詳しくはないのですが、
これは「別尊雑記」のような仏の形を伝えるもの、
つまりはアニメゲームでいうところの
キャラクター設定画のような役割のものだと思われます。

前回は違う部分が展示されていたのですが、
今回巻き換えがあり、兜跋毘沙門天が描かれたものが展示されていました。

まさに絵に描かれた兜跋毘沙門天を
そのまま立体にしたのがさっきの像だなと思ったのですが
(この「四種護摩本尊並眷属図像」は鎌倉時代の写本。
原本は空海の甥の智泉が描いたものらしい…
彫像は唐で作られたとされているので
この絵をもとに立体化したという訳ではないと思いますが…)
絵はあくまで正面だけ描いたものなので
後ろ姿は描かれていないんですね。
アニメやゲームの設定画なら、後ろ姿や表情のバリエーションなど
かなり細かく指示がされていますが、
これは本当に基本の正面しかないんです。

この「四種護摩本尊並眷属図像」以外のものも
やっぱり正面がメインで
一部に色指定がされているものがありますが、
後ろ姿を描いたものは見たことがないです。
後ろは重要視されていなかったのでしょうか…
前から礼拝することしか想定していなかったのかもしれません。

やはり最初に考えた
「仏は前からしか拝まないから」説で
ハズレてはいないかなと思いました。

特にこの兜跋毘沙門天の鎧は
異国のものですから
想像だけで作れなかったという要因もあると思います。
(と考えると、仏の衣装はみんな異国のものだから
日本の仏師たちは後ろ姿を作るのに苦労したんだろうな…
菩薩像でも後ろ姿があいまいに作られているのも多いし)

近年、博物館では
仏像を360度、後ろからも見れる!
というのを売りにしていますが、
そう考えると後ろ姿を見る価値って
何なんだろうと考えさせられます。
もちろんすべての像が後ろ姿を作りこんでいない
という訳ではないですし、
後ろもカッコいい東寺講堂の持国天像みたいなのも
あるのでなんとも言えませんけどね。

ちょっとそんなことを思ってしまいました。

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『空海と密教美術展』に行ってきた [仏教・仏像]

先週、東京国立博物館で行われている
『空海と密教美術展』を見てきました!

日曜の閉館時間に近いときだったからか、
それほど人が多くなく、
ゆっくり見ることができました。

国宝・重文のなだたる名品がずらりと並び、
いろんな本に載っているものや、
百科事典などでも紹介されている
空海自筆の書などがありました。

少し前にNHK-BSで、
空海特集をやっていたのを見てから行ったので
多少の予備知識を得てから鑑賞できましたが、
あまりにも歴史的・信仰的に価値があるものなので、
その真価が分かって見れていないんだろうなと
どこか頭の片隅でそう思いながら見ていました。

最初のフロアから惜しみなく
「聾瞽指帰」や「性霊集」が展示されています。
「聾瞽指帰」は空海24歳の作と言われていますが
その書面もどことなく勢いがあるように感じます。

序盤は書を中心に置かれていますが、
少し先には東寺の「兜跋毘沙門天像」が展示されていました。
この方にお会いするのは3度目になりますか。
初めて背後に回って見ることができました!
(後ろは意外にあっさりとした作りでした)
見る人が「かっこいい」と声を漏らしているのを聞いて
やっぱり人気者なんだなと改めて思いました。
何度見てもかっこいいです!
この像は羅城門に置かれていたのではと考えられている像で、
今は東寺に安置されていますが、
このため私は密教とは別物と考えていました…
日本ではなく唐で作られたものですし、
空海が請来したのでしょうか?
でも、今調べたところ「御請来目録」にも記述されていないらしいと
ある本には書いてあるので、謎が残ります。
久しぶりに会えたのは嬉しいですが、
どことなく説明がついていないようでしっくりきていません…

第一会場には他に、
「五大力菩薩」の巨大な白描画や善通寺の錫杖頭、
「血曼荼羅」など、長い時間見ても飽きないものが多く展示されています!
「仁王経五方諸尊図」など、仏が緻密に描かれていて、
仏像の姿を見たり描いたりする身としては
参考にしたいもののひとつです。
そう言えば、「灌頂暦名」の第一番に最澄の名が書かれていますが、
最澄はどの仏と縁を結んだのでしょうか?
目を凝らしてみても、なんと書いてあるのか分からないのです。
そして、「興福寺」と書かれているのはなぜなのでしょう?
あまり最澄に詳しくないのですが、
勧請が行われた時には比叡山にいたのでは?と思うので
ここも疑問が残ります…
(こういった疑問が残ってこそ、
調べる価値があっていいとは思うのですが)

第二会場にはさらに密教美術が多く…
というか、まるで醍醐寺の宝物館に来たんじゃないかと錯覚するほどに、
今までお会いした方も、そうでない方も
展示されていました。
(さっきの兜跋も醍醐寺の方も、春秋しかお寺で展示されないので
シーズンオフに東京出張って感じなのでしょうね…)
醍醐寺の方々は前にしっかり見ていたので
お久しぶりですと挨拶する感じでしたが、
仁和寺の阿弥陀三尊や神護寺の五大虚空蔵菩薩さんは
お寺には行ったことがあっても実際に会ってはいない方だったので
ここでお会いできてよかったです。

そして、最後には東寺講堂の立体曼荼羅を縮小再現(?)した
一番の目玉フロアが待ち構えています。
立体曼荼羅は圧倒されるくらい凄い仏像群ですが、
見る位置がいつも同じだったのが少し残念なポイントだったので、
8体だけでしたが、くまなくみることができたのは嬉しいです。

持国天像は、持国天の中で最も猛々しい像と言われるだけあって
表情に目がいきますが、
初めて背後に回って見てみると、その体躯のたくましさに驚きました。
右後ろから見ると、前から見るよりも迫ってくる感じがあり、
この人になら守ってもらえそうと思える、立派な背中でした!

梵天は暗い講堂の中では分かりませんでしたが、
今回、鋭い瞳が見え、
二重で優しげなイメージだったのが一転しました。

降三世明王が踏みつける烏摩の手が
踏まれる右足に触れているのも今回新たに発見した点です。
「ギブ!もうムリ!」とでも言ってそうです。

そんな感じで名だたる名品をじっくり見ましたが、
展示替えも頻繁にあるようなので、
会期中にもう一度行く予定です。
滅多にない機会なので
できるかぎり楽しみたいなと思っています。

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明日香は変わらないなあ [仏教・仏像]

8月アタマは夏休みで実家に帰っていました。
今年は例年よりも休みが短かったので
あまりいろいろなところへは行けませんでした。
ですが、その分一日をじっくり楽しもうということで、
短いわりに楽しめた休みでした。

東海道本線に乗って東京から京都に帰るとかね。
私は鉄子ではないですが、
思いつきでやってみたりしました。
(宇治まで10時間半くらいかかった…)

お寺関係では、
東寺や吉野に行こうと思っていたのですが、
諸事情ありどちらも叶いませんでした。
そのかわり明日香に行くことになり、
久々に古代の空気を(?)楽しんできました。
(明日香まで行くなら吉野も行けるやん!って感じですが、
 そこに諸事情があるのです…)


明日香は中学生くらいの時に初めて行って以来です。
その時は高松塚古墳や石舞台、飛鳥寺等、
王道スポットをレンタサイクルで巡りました。
まだキトラ古墳の朱雀が発見される前でしたね。
冨本銭が話題になっている頃だったような…
今回はお寺を中心に、また自転車で巡りました。

近鉄の橿原神宮前駅からスタートし、
最初に訪れたのは橘寺。
田んぼに囲まれた小高い場所に建っています。

聖徳太子が生まれたというところで、
像がたくさんありました。
やはり奈良の歴史に聖徳太子アリ!という感じです。
ご本尊は聖徳太子と如意輪観音。
意外に観音堂は目立っていません。
本堂と二面石ばかり人気がありますが、
立派な六臂の如意輪観音像がいらっしゃるのでお見逃しなく!
薄暗い中であまりはっきりとは見えませんでしたが、
穏やかなお顔で、どことなく石山寺の方を思い出しました。

また、本堂には田道間守像が祀られています。
橘をこの地に植えたという伝説があるそうです。
お菓子の神様だというので、
スイーツ好きの方はぜひともしっかり拝んでおきましょう!

橘寺の北側には川原寺があるのですが、
今回は訪問せず、
次は西国霊場でもある岡寺に向かいました。

山の上にあるので、急な坂を登らなくては行けないので大変です。
明日香を一望できる場所でとても眺めが良いです。
本尊はこちらも如意輪観音です。
奈良時代につくられた日本最大の塑像です。
弘法大師が三国の土(インド・中国・日本)を以て
作られたと言われていますが、
奈良時代作なのに弘法大師?という、
様々な疑問はとりあえず置いておきましょう…

白く、どっしりとされていて、
空を見ていらっしゃる感じの方です。
三国の土という話があるからか、
あまり日本っぽく方ではありませんね。
乾いた砂漠地帯の寺院に納められていても違和感なさそうです。

本尊後方には寺宝が展示されており、
本尊胎内仏のレプリカや仏足跡の版木などがありました。
ボロボロになっていましたが、
古い兜跋毘沙門天像もありました。
地天女は見る影もないくらいでしたけれど…
本尊もよいですが、こちらも興味のあるものが多いです。

次はお寺ではありませんが、
かねてより行きたいと思っていた万葉文化館へ寄りました。
思った以上に大きな施設で、
建物の下に遺跡があるという
奈良ならではのつくりになっています。
こちらでは万葉集に関する展示や
裏手の竹薮の中の酒船石を見て出ました。

最後のお寺は万葉文化館からすぐの飛鳥寺です。
飛鳥大仏とは十数年ぶりの再会です。
私の中でですが、
大仏の中で最も親しみやすい仏さんだと思います。
大きすぎず、かつ素朴な感じがよいです。
参拝者との距離感もちょうどいい具合だからでしょうか。

飛鳥寺は、以前訪れたときの記憶と
今回の印象がほとんど変わらず、
お堂の感じもそのままな気がします。
飛鳥大仏や説明をしてくださる住職に
懐かしさを感じました。

今回、明日香を訪れて気付きましたが、
万葉文化館など、新しい施設もありながら、
村の風景自体はそれほど変わっていないような気がします。
十数年前からそのままの田んぼと山の風景。
移り変わりの早い都会に住んでいるからか、
こういうのって極めて稀で不思議な感じがします。
ここがただの村ではなく、
かつて首都があった場所だから、
余計にこんなことを思うのかもしれません。

暑い中でクタクタになりましたが、
またひとつ印象的な旅をすることができました。
次に訪れるときも、
変わらない場所であってくれればいいのになと思います。

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