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浄楽寺に行ってきたのです [仏教・仏像]

訪れてしばらく経ってしまいましたが、
3月3日に横須賀の浄楽寺に行ってきました!

2月は忙しくて
なかなかお寺に行くことができなかった分、
この日がどんなに待ち遠しかったことか…

こちらには、運慶が作ったという
阿弥陀三尊と毘沙門天、不動明王の
5体の仏像が納められています。
昨年の6月に行った伊豆の願成就院の仏像と、
必ずと言っていいほどペアで紹介されることが多いですね。
毎年、3月3日と10月19日の2日間だけご開帳される
貴重な方々です。


JRに乗って、
鎌倉までは行ったことがありますが、
次の逗子駅で下車。
駅からバスに乗って向かいます。

思いのほか人が多く、
1台バスを見送ったくらいです。
ちなみにお寺へは
逗4,5,6,7,71,72系統に乗れば行けます(確か…)

駅周辺、市街地が混雑していて、
なかなか進まずイライラ…
でも、葉山御用邸を過ぎたあたりで相模湾がひらけ、
遠くに江ノ島や富士山が見えた時は
まだ目的を果たしていないのに
「来てよかったー!」なんて思いました。
バスは海沿いに進み、
45分くらいかけて浄楽寺の停留所に着きました。
乗車していた多くの人がここで降り、
ご開帳の人気っぷりがうかがえます。

お寺は敷地内に墓地もありましたが、
それほど広い感じではありませんでした。
本堂の裏手の高くなっているところに、
本堂より少し小さいくらいの収蔵庫があり、
そこに5体の仏像が安置されていました。

左から毘沙門天・勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩・不動明王と並んでいます。
すべて重要文化財、旧国宝の名だたる仏像が揃っています。

拝観料の100円を支払い、
じっくり見ていきます。
(以下、どうしても願成就院の像と比べてしまっていますが、
あえてそうさせてください…)


まず毘沙門天。
確か願成就院像は等身大くらいでしたら、
この像はそれよりも小さいです。
袖などにわずかに昔の彩色の跡が残っています。
衣の形は願成就院像に似ていますが、
細部までは詰め切れていないといった様子。
ポーズは左手足をあげているのに違いはありますが、
印象としては似ているように思います。
邪鬼はあちらは2体、こちらは1体です。

似てはいるのですが、
完璧すぎるくらいだったあちらの像に比べると、
なんとなく不備があるような、
泥臭さが残る部分が、
「本当に運慶作?弟子とか同じ工房の仏師が作ったんじゃないの?」
とも思うのですが、
胎内から願成就院のものと同様に
運慶作と書かれた木簡が出てきたことは事実。
認めざるを得ないでしょう。
前述の類似点もありますし…

中央の阿弥陀三尊ですが、
願成就院の方は
阿弥陀像だけで、脇侍はいらっしゃいませんでした。
阿弥陀像も印の形が違い、
あちらは説法印、こちらは上品下生の印です。
この2体は作者が同一というのがうなずけて、
願成就院の像は切れ長で伏し目、
浄楽寺の像は玉眼で見開いていますが、
顔の輪郭や特に唇の形が全く同じといってよいくらい
似ています。
衣もパリっとしたシャープなラインで表現され、
シワの流れ方はほぼ同じです。
(ぎょうせい「日本の美術 No.537」では
この2体が巻頭カラーで並んで掲載されていますので
是非ともご参照ください!)

願成就院像は漆箔がはがれ、黒い中にわずかに金が残っていましたが、
こちらは金泥で塗られていて、
渋いやや重い感じの金色が全身を覆っています。
彩色方法などに微妙な差もありますが、
ふたつのお寺の像がこれほどまでに比べられる意味が
この阿弥陀像を見てやっと分かるような気がしました。

脇侍の勢至・観音像は
全く無駄のない形で、表情は「無」といった感じでした。
蓮華を持ち、2体はそのまま反転させたように作られています。

最後、一番右に置かれていた不動明王像は、
願成就院像と違い三尊形式ではなく、
不動明王独尊です。
キズがたくさんあり、他の4体の像とはどことなく違う印象があります。
願成就院像と比べても、
ポーズも衣も表情もかなり違い、
体躯の豊かさもありません。
天地眼で、いかにも鎌倉時代の仏像らしい像ではありますが、
こちらも運慶作なのだろうかと疑問が残ります。

人が多い中をじーっくり見ていきましたが、
比較する対象をもって拝観することはあまりないので、
なかなか楽しかったです。

120318.jpg

御朱印をしていただいた方が、
お寺の方のようだったので、
私がひとつ疑問に思っていたことを伺いました。

願成就院を訪れた際に購入した冊子に
浄楽寺の仏像のことが書かれていて、

「おしいことに阿弥陀三尊像は後世の金箔で全身がおおわれ、
ことに不動・毘沙門天像は、江戸時代の彩色が厚くぬられ、
一見新しい像のような感じをあたえる仏像である。」
(「願成就院」久野健 中央公論美術出版/初版 昭和47年)

とあり、
掲載されている写真もモノクロながら、
明らかに派手派手しい色彩がぬられているのが分かりました。

なので私は浄楽寺の仏像は見るに値せずかと思っていたのですが、
「日本の美術 No.537」(2011年2月発行)には
どうも後世に塗られた色彩が落とされているような写真が載っていました。

実際には江戸期の色彩は落とされていたので、
「いつごろ色彩を落としたのですか?」
とお寺の方に伺ったところ、
20年ほど前に京都から仏像修復の専門家を招き
この場所で作業をして現状のようになったということでした。
阿弥陀三尊は、今でも金が残っていますが、
前はもっと金ピカだったそうです。

そういう話を聞けるのも事前に調べていたからで、
ただ5体の仏像だけれども、
20分ほどしかその場にいなかったけれど、
充実した時間を送ることができ、
またたくさんのことを知ることができました。


拝観のあとは新島密のお墓に手を合わせてお寺を出て、
近くをお散歩しました。

たまたま行った芦名の漁港では
3月3日ということもあり流し雛のお祭りをされていて、
屋台で遅いお昼を食べたりしました。
(行事自体は時間的に見れませんでしたが)

山や川の近くで育った人間なので海が珍しく、
秋谷の海岸を歩いて貝を拾ったり、
波に足をつけたりして(!)
日頃なかなか体験できないことを満喫して
またバスに乗って帰りました。

今回行ったのは横須賀市でも鎌倉に近いような場所でしたが、
他にも横須賀には見所のある仏像がいらっしゃるようですし、
鎌倉もぜんぜん行けてないので、
また鎌倉期の仏像巡りをしてみる予定です!

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